2年ぶりとなる公募型ツアー「古地図と地名で知る仙台市沿岸部のまち」

10月28日(日)は2年ぶりとなる公募型ツアー「3.11オモイデツアー ~古地図と地名で知る仙台市沿岸部のまち」でした。

仙台駅東口団体バス乗り場に集合。横断幕と偽バス停もすっかりオモイデツアーの顔になりましたね。

今回は、日本地名研究所理事で地名研究家の太宰幸子さん、元仙台市博物館市史編さん室長・郷土史家の菅野正道さん、おふたりのスペシャルガイドで、地形、地名、地図から仙台市沿岸部の歴史をひも解きながら、地元の方々が語る生活のオモイデとともに、かつての暮らしを体感していただけるスペシャルなツアーをご用意しました。そしてなんと、飛び入り(?!)でブラキムラこと木村浩二さんも同乗。

東口を出発し、バスは閖上へ向かいます。佐藤から概略の説明があった後、早速、太宰さんと木村さんの歴史講座がはじまりました。

閖上ではちょい食べをご用意。閖上朝市名物・水餃子やシーズンならではのせり鍋など、みなさん思い思いのものを楽しんでいただきました。日和山に集合し、語り部の長沼俊幸さんと合流。昔の閖上のオモイデ、これからの閖上について、お話をお聞きしました。

次は、荒浜へ。バスの車中では太宰さんの地名や木村さんの地形や歴史など、興味深いお話しをしていただきました。道中、冒険広場のあたりにはかつて小午沼があり、こどもたちが鯉などを釣って遊んでいた、というオモイデが紹介されると、なんとそこに鯉が!オモイデツアースタッフ・三浦忠士さんの粋なアイディアで車内は爆笑。こんなところもオモイデツアーらしさなんです。

バスは荒浜へ到着。震災遺構仙台市立荒浜小学校では、嘱託職員の庄子智香子さんに震災時のお話、展示の説明、かつての荒浜がどんな町だったのか、などお話しを伺いました。屋上から見る荒浜の風景には、参加者のみなさんそれぞれ思いを感じていたようでした。

深沼海水浴場の手前にある里海荒浜ロッジでは、貴田喜一さん恵子さんが待っていてくれました。ここで元仙台市博物館市史編さん室長・郷土史家の菅野正道さんから「絵図に見る仙台平野沿岸部の歴史」講話。閖上〜荒浜〜蒲生の歴史について興味深いお話しをしていただきました。

お昼は庄子智香子さんと貴田恵子さんが作ってくれた芋煮でおもてなし。参加者のみなさんで交流しながら、あたたかく美味しい芋煮をいただきました。大鍋で作りみんなで食べる芋煮はほんと美味しいですね!

午後からは、荒浜のカメラマン・佐藤豊さんのアテンドで、まちあるき。震災前の写真を見ながら、かつての荒浜の風景や生活など身近でジブンゴトに感じられる、オモイデツアーらしいまちあるきでした。豊さんのニコニコトークにまたファンが増えたようですよ。

美しい夕暮れの中、ツアーは終了。仙台駅に向かうバスの車中、参加者のみなさまからはあたたかいお言葉をたくさんいただきました。ありがとうございました。

仙台市沿岸部は津波により大きな被害を受け、さらにその後の更地化などにより、もともとあったまちの暮らしは見えにくくなりました。しかし、悠久の時を経て作られてきた「地形」や、災害の警告・生活の知恵が記された「地名」、それらを可視化した「地図」、さらに地元の人々の「オモイデ」に触れることで、まちの輪郭ははっきりと浮かび上がってきます。

2年ぶりとなる公募型ツアーでしたが、みんなで活かす普段使いのアーカイブが評価された「ライブラリー・オブ・ザ・イヤー2018」優秀賞を受賞したチームのチカラをいかんなく発揮し、地域アーカイブと震災アーカイブがひとつになった、また新しいツアーとなったように思います。

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

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